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ジョゼと虎と魚たち2006.10.24 Tuesday
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ジョゼと虎と魚たち
「ジョゼと虎と魚たち」のDVDを観ました。
(犬堂一心/監督、妻夫木聡、池脇千鶴/主演、くるり/音楽 、原作/田辺聖子 2003年作品)
ちょっと変わったきっかけで知り合った大学生と脚の不自由な少女の大阪を舞台にした切ない恋のお話。リアルで透明感のある映像と音楽によって、きめ細やかな心理を描写していて海の底のように深く心に染み入る作品。足の不自由なジョゼがとにかく魅力的です。彼女の話す大阪弁が美しいのです。彼女の作るごはんがとてもおいしそうなのです。とても心を奪われるのです。主人公の大学生はごく普通の若者で、若さゆえというか男性としてある意味ひどい人です。結末はこうならざるを得ないということは、最初からわかっていた(伏線があった)のですが、それでもやはり悲しい。ですが、最後に主人公の恒夫が号泣するシーンは同じ男としてやるせない気持ちになります。ああ、やっぱりそうだよねと思ってしまいます。
一緒に観ていた私の奥さんは「なんであそこで妻夫木が泣くん?」
と私に言いました。「はぁ???」としか答えられませんでしたが、男性と女性では感じ方が違うのでしょう、おそらく。
「くるり」の音楽もすごくいいです。この音楽じゃなかったら、かなり違うものになっていたはず。すごく泣ける映画でもあるんだけど、笑える場面もあります。ジョゼに「あたりまえや。」といわれるかもしれないけど、とてもよい映画です。
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来春公開、映画「アヒルと鴨のコインロッカー」2006.08.15 Tuesday
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伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」が映画化され来年春公開されるらしい。この小説を読んだ人なら、映画化できるわけないじゃん!と思ったはず。いわゆる**トリックものですものね。**トリックというと最近の国内ミステリーですと「葉桜の頃に君を想うということ」という傑作がありました・・これはちょっと映像化不可能でしょう。でも考えてみると、**トリックものでも意外と多くの映像作品があるんですね。シャラマン監督の「シックスセンス」とかはその代表ですし、ジョニー・ディップの「シークレットウインドウ」とかハリウッド映画には沢山あります。
今は見れないようですけど、ニッケルバックというバンドのSomedayという曲のPVをYoutubeで見たことがありますが、これも**トリックの映像化?というか映像トリックになるのかな?すごいよかったです。(全米が泣いた!)
とにかく「アヒルと鴨のコインロッカー」は好きな作品ですのでどう映像化されるか楽しみです。
アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂 幸太郎
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秘伝の書2006.04.12 Wednesday
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先日、空手の秘伝書を求めてはるばるシンガポールから来た御一向様が、青森の山奥で遭難しそうになったというニュースがあった。シンガポールにある空手道場の道場主が臨終の間際に家族や弟子を集めて日本の青森のナントカという村の空手マスターに会って秘伝書を譲り受けてくるように遺言を残したそうな。漫画か!!遺族と近所の人?と13人で日本にやってきたのだが、ろくに調べもしないできたらしい。来る前にググッてからくればいいのにと思う。その後どうなったことやら、秘伝の書は見つかったのか???
まったく関係ないが、このニュースを見て思い出したのが、「クロスロード」という映画。「ベストキッド」という少しヒットした映画に出ていたラルフ・マッチオが主演のあまりヒットしなかった映画。音楽はライ・クーダーでなぜか私はサントラCD持ってます。ずいぶん前の映画でDVDも発売されていないし、レンタル屋にもないしうろ覚えだが、まちがってたらすみません。ストーリーはこうだ。主人公の少年(白人)は有名な音楽学校(ジュリアード?)でクラシックギターを学んでいる。クラシック勉強してるくせにブルースマニアでトルコ行進曲かなんかの練習で最後のきめフレーズがブルースになったりして先生に怒られていたりする。ある日彼はブルースギターの神様と呼ばれるロバート・ジョンソン(交差点で悪魔と契約を交わし天才的なギターテクニックをを身に着けたとされ、若くして亡くなった伝説の人)の未発表曲を求めてロバート・ジョンソンを唯一知ってるとされる伝説のブルースマン(ブルースハーピストの老人)を尋ねていく。年季の入ったGIBSONのL-1(R.Jの使ってたギター)かなんかを持って。その後旅に出るわけだがハーピストのおじさんにそんなギターじゃだめだ(じゃ俺にくれ!)と言われて楽器屋へ連れて行かれテレキャスターと電池で動くミニアンプを買う。そんなこんなで旅をして最後は悪魔のギタリストと対決するのだが、これがスティーブ・ヴァイ!!!ブルース??
超早弾きに最初は苦戦するマッチオ少年。すると突然クラシックの超絶技巧曲を弾きだす。(実際に有名なギタリストが弾いてるそうです。ちなみにブルース部分はライ・クーダー)驚くスティーブ・ヴァイ!同じフレーズを弾こうとするがうまく弾けない。あせるスティーブ・ヴァイ!見事悪魔に勝ってしまうマッチオ少年!それでどうなったのか?何か手に入れたのか?なぜ悪魔とギターバトルしなきゃならなかったのか肝心なことが思い出せません。もう一回見たい映画のひとつです。
自分なりにまとめてみると、技を習得するには近道はない。悪魔に魂を売ったってだめなのです。秘伝書を手に入れたってだめなのです。常日頃自分が今現在やってることをこつこつと一生懸命やらなきゃってこと。たぶん。
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DOGVILLE2006.03.23 Thursday
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ドッグヴィル プレミアム・エディション
インターネットテレビ「Gyao」で「DOGVILLE」を見ました。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などのデンマークの異才、ラース・フォン・トリアー監督による衝撃作にして問題作。
ロッキー山脈の平和な村ドッグヴィル。ある夜、謎の女グレース(ニコール・キッドマン)がギャングに追われ村に逃げ込んでくる。議会の許可を得て、村に滞在することになったグレースは、献身的に村人の仕事を手伝い、彼等の信頼を得ていく。しかし、村人のたちの善意は徐々にエゴと欲望に変貌していき、物語は一気に破滅的結末へと突き進み「審判の日」を迎える・・・。
広い体育館か倉庫みたいなところの床に線を引き、簡単なセットだけで俳優が演技する、演劇を見ているようなシュールな映画です。3時間くらいある長い映画でもあります。
閉鎖的な共同体に突然入り込んだ「異なるもの」によって人々の醜い人間としての本質があぶりだされて悲劇的な結末へ・・。という内容なのですが、ただ単に監督は人間の醜いエゴや欲望を描きたかっただけなのでしょうか、ラストでたびたび出てくる「権力」「傲慢」「正義」などのキーワードが「アメリカ」を意識させられます。ラストのエンドロールにもそれが濃く感じられます。
ニコール・キッドマンの美しさは印象的です。ですが人によっては非常に不快な思いをするかもしれません。「DOGVILLE」は監督の「アメリカ3部作」の1作目で2作目「MANDERLAY」が現在公開されていますが、グレース役がニコール・キッドマンでないのが残念。
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